5人が本棚に入れています
本棚に追加
ん~っと唸る俺と中谷さん。
「お家分かる?」
「い・・・いくの?お、怒られるっ。」
「大丈夫、おねぇさんも一緒だから。ついでに警察もね。」
遠い目をする中谷さん。
「識字力がないとなると、施設だね。」
「そ、そんな!俺が教えますよ!」
「ダメよ。専門的な知識が必要な分野だから。」
「専門知識・・・あっ!みんなが火傷しないように見ててください!」
障子をパンっと開けファイルを探す。
10分後
「あった。あった。」
「なぁに?それ?」
「俺の人生の塊っす。どこにあるかなぁ~。」
「これ、全部、資格者証?!」
「そ。資格マニアなんですよ。」
「100以上ありそう。」
「ありますよ?あった!はい。」
「うっそ。」
「ほんと。」
「コピーコピーっ!」
「はいはーいっ!」
保育士 国家資格だ
「どおりで育児、上手いはずだわ。」
「送り先が児童福祉施設なら太刀打ちできます。」
「そうね~。でも、上がなんていうか・・・。」
「俺は暮らしたいぞっ!」
「俺もっ!」
ナイスさとしくん!清くん!
「そっか~。すぐに意気投合したのね~悪魔くん。悪魔くん、お腹いっぱい?」
「はい」
「ちょっとおねぇさんと一緒に来てくれる?」
不安がる悪魔くん。俺を見る。
「痛い事や嫌な事はされないから大丈夫だよ。いってらっしゃい。またおいで。」
玄関のドアが閉まる
「紅孩児・・・。」
「紅孩児って仇じゃなかった?」
「西遊記では仇だけど甥は甥だ。この人間界でも・・・。あいつ、いつだって独りで・・・闘ってて。一緒にコンビ組めたらって・・・。」
一週間後
『零時になりました。お昼のニュースをお伝えします。東京都中野区で児童虐待の容疑で』
こいつらか!
『父親は容疑を否認しており、母親はこんな事になるなら殺しておけばよかったなどと話・・・』
あ、あっぶねぇ。
さらに一週間後
「いらっしゃいませ~。」
「こんにちは!」
「中谷さん!」
「準備出来たわよ。国家資格って偉大ね。」
「え?じゃぁ・・・。」
「手続き、待ってるわ。うふっ。」
最初のコメントを投稿しよう!