金蝉子

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翌日、お店を臨時休業にして児童相談所。 「中谷さん!」 「待ってたわよ~。あのさ、」 「どうしました?」 「名前問題が起きてるのよ。」 「あ~。」 「なんかアイデアある?」 「光でコウってどうでしょう?悪魔は闇でしょ?天界の眩しい光。コウ。」 「いいわね!あとね・・・。」 「どうしました?」 「母子手帳と母親の供述から・・・中学2年生なのよ。」 「えぇぇぇ?!どうみたって!」 「栄養失調!」 恐ろしい・・・。生きていてくれた事に感謝した。心から。 「言語も、片言なの。」 「心理は?」 「そこはOK。不思議なくらいだわ。」 絶対、紅孩児が絡んでそう! 「名前決めるの3日待ってね。法務局とか色々あるの。」 「わかりました。」 「で、光くんは?」 「案内するね。」 面会と一緒に手続きを終わらせる。 「清くんが同じく中学2年生、同じクラスで席くっつけて勉強させたいんですけど。」 「識字力ないのよ?」 「家で教えますよ。板書を丸写しでも結構、いい勉強になるもんです。慣らすより慣れろですよ。小学生だったら別の考えですけど。校長に口添えしてもらえませんか?」 光は、その日から我が家の一員になった。 「みんな、悪魔くんから名前が変わって光でコウっていう名前になったから、コウって呼ぶように。自分でもコウですって言うんだぞ?」 「はい」 「了解」 「コウって紅孩児を意識しただろ?」 清くんにバレた。 「ま、そんなとこ。あと、お前ら、同い年な?」 「「え?」」 「俺と?」 「うんにゃっ。」 「え?中学2年生なの?」 「うん。」 「まじで・・・・?」 「字も読めないし書けない。今、校長に清くんと同じ教室で隣の席にできないか調整して貰ってる。頼んだぞ、清くん。」 光に抱き着く清くん 「紅孩児、目覚めろ。お前は自由だ。」 トントントンっ。 「はーい」 ドアをあけるとそこには神戸の道士様がいた。 「ご無沙汰してます。おかげさまで大繁盛です。お近くで仕事ですか?」 「光くんに用がある。天帝の命だ。」 神様って本当にいるんだねー
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