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テーブルの椅子に座らせ、光くんの額に護符と針を乗せる
「善財童子、善財童子、出てこれますか?」
「善財童子?」
「紅孩児の後の名だ。」
へぇー。へぇへぇへぇー。
「金蝉子様、お呼びですか?」
「金蝉子?私は金蝉子ではないよ?善財童子、現在宿ってる者に知恵を与えてほしい。」
「紅孩児!やっと会えたな!」
「孫悟空!今度こそ息の根をっ!」
「縛!」
「身体が動かない。」
「八戒。」
「はい、道士様。」
「頭が追い付かん。何があった。」
「えっと、この子が、辻占の田中清くん。で、斉天大聖で、孫悟空。で、この子が、捲簾大将で、沙悟浄なさとしくん。で、天蓬元帥で猪八戒な俺。で、清くんが孫悟空、よって仇は紅孩児。紅孩児の仇は孫悟空。」
「でも、菩薩に弟子入りして善財童子だぜ!そんなことも見抜けないのか二番弟子。」
「どうなっているのだ、この家は!」
「紅孩児、悟空、もう人間界。新しい人生。恨みっこなし。楽しく暮らそう!」
「八戒、いつからそんなに強引になった?」
「色々と立て続けに起きましたからね~。」
「金蝉子様、記憶を呼び出しましょうか?」
「玄奘三蔵となり敵であろう?」
「でも、金蝉子様です。」
混線と混乱
「ひとまず、貴方たちは今ある生を送りなさい。これでいいね?八戒。」
「はい!」
「では、私は帰る。」
玄関に向かう道士様
「金蝉子」
「だから私はって身体が動かない。禁呪法を使ったな?」
光が道士様の額に人差し指を当てる。
「あ!ひでぇ!」
「金蝉子様、金蝉子様、出てこれますか?」
紅孩児ともなると護符なしでいけるのか?!
「さて、悟空、悟浄、八戒、紅孩児。見ていた。心を穏やかに暮らすように。」
解放される道士様
「私が金蝉子だと・・・!」
ショックを隠せないご様子。
「泊まってきます?」
「いや、遠慮する。」
ですよねぇ。俺だったら発狂する。
しかし、目覚めた事に変わりはない。
「アホ猿。紅孩児をしっかりみとけ。」
仏とは思えぬご発言。
「分かってるよ、三蔵。」
こうして、道士様も巻き込んだ生活が始まったのであった。
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