番外編 紅孩児の生活

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俺は紅孩児。今は佐々木 光だ。 悟空と授業を受けている。 俺は・・・周りと比べてかなり小さいし体力がない。 「じゃぁ、先に帰っとけ。」 歩いて15分。いなりや。ここが俺の住む場所。悟空、悟浄、八戒と暮らしている。 俺はこの扉を開けるのが怖い。 嬉しいと言えば嬉しいのだが・・・。 「光、何してんの?おかえり。はやく入っておいで。」 カウンターから丸見えなのがムカつく。 「よーし!紅孩児、今日も良く帰ってきた!えらいえらい!」 抱き着かれる。 「離れろ。」 「やだ。もうちょっと抱き着く。」 この八戒・・・。 「いい加減にしろ、八戒!」 「よーしよしよしよし。」 撫でられる始末。 愛情表現らしいが・・・。そろそろ、やめてほしい。 「八戒!」 「よし!今日も無事だな!おやつ食べな。あ、そのまえに斎藤さんの所で豆乳飲んできて。」 なぜ俺がそんなことを・・・・。 「成長できないよ?行きなさい。」 「行ってきます。」 「あ、煎餅、3枚、持ってって。」 「理解した。」 豆腐屋 「よく来たなボウズ。」 「煎餅です。」 「いつも悪いね。」 頭を撫でられる。 商店街の連中は俺の境遇を良く知っている。 「はい、豆乳とお豆腐。」 「お豆腐は頼まれていないし、金もない。」 「豆腐は畑の肉。冷奴にしてもらって食べな。」 悟空、悟浄、俺のルールとして、ちゃんと飲んだかどうか、斎藤さんの前で飲むか、八戒の前で飲むかが約束事項だ。 ゴクッゴクッゴク。 「うまいか?」 「大豆の濃い味だ。」 美味くもないし不味くもない。表現に困る。 帰る。 扉を開けるとそこには 「おかえりー!」 衝撃を伴う抱き着き加減、悟浄だ。 八戒の悪影響だ。 この家、全員、俺に抱き着く。 「俺も豆乳もらってくるー。」 出て行ってしまった。 俺は豆腐を八戒に差し出す 「豆乳と一緒に貰った。冷奴にでもして食えと言っていた。」 「お礼、ちゃんと言えた?」 「あ・・・・。」 「今度はきちんとね。明日、言っておいて。」 「理解した。」 「ただいまー!」 バンっとドアが開く。 悟空だ。 「紅孩児!ちゃんと帰ってきたか!おじさんは嬉しいぞ!よーしよしよし。」 だ・か・ら!抱き着くな!撫でるな! こいつ、昔は仇で死闘を繰り広げた事を忘れているのか?
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