番外編 紅孩児の生活

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5人で食卓を囲む。八戒はパイプ椅子に座ってる 「それでは、いただきます。」 「「「「いただきまーす!」」」」 「中村さん、ご招待ありがとう!」 「いえいえ。」 「ほんと、おっきくなったね!」 「毎日見てると分からないものですね。中谷さん、退勤してる?」 「うん。今日17時まで。」 「ほ~れほれほれ。」 「のむーーーーー!!」 「お祝いですから。」 「ね~。お赤飯にとんかつに豪華ね!」 「商店街の皆さん、気合入っちゃって。」 「よかったね、光くん。あ、お父さんとお母さんと会いたい?」 「あの人たちに興味はない。」 「そっか。」 俺は本音を言ったが中谷のおねぇさんは、しょんぼりしてしまった。 ビールをグラスにいれて八戒が持ってきた。 「ん?中谷さん、なんかあった?」 「いや?中村さんも飲もうよ。」 「はいはい。」 八戒が酒を飲む!! 「成長痛祝いにかんぱーい。」 「かんぱーい。」 なんだそれ。 しかし、八戒が酒を飲むとは・・・。 「光くん、痛い事されたり、嫌な事されてない?」 「ない。」 「本当に?」 「強いて言えば・・・。」 「おねぇさんに言ってごらん?」 「この家にお世話になるようになって。」 「うん。」 「みんな、抱き着き癖がある。八戒が始めたんだ。」 「八戒?」 「中谷さん、あのね。俺が八戒、清くん悟空。さとしくん悟浄、で光くんが紅孩児。」 「何、その謎の西遊記ごっこ。で?続けて。」 「八戒が今日も帰ってきてくれてありがとうとか言って抱き着いてきて、撫でまわされる。」 「うん。」 ちょっと中谷さんの肩が震えている。 「悟空も悟浄も真似して、ただいまの時、かならず抱き着いてくる。」 「嫌なの?」 「強いて言えばの話だ。愛情表現だと八戒は言うし、理解している。」 「そうなんだ?」 笑顔だ。こいつ笑ってる! 「全員が全員、過保護なんだ!」 「そっかぁ~。おねぇさんからは何にも言えな~い。さとしくんが超過保護って前に言ってたけど面白いほど過保護ね。」 「まぁ、まぁ、愛情表現。」 「うふふふ。」 「居心地良いぜ?」 「「え?」」 「紅孩児、もう一回言って?」 「聞こえなかった?残念だったな。俺は一度しか言わない。」 顔を見合わせた八戒と中谷のおねぇさん。 八戒はニヤニヤしながら 「まだ6缶ありますし、全部のんじゃいません?」 「いいわね~中村さん!飲むわよ~いくらでも。あはははは。」
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