辻占(つじうら)

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「それにしても凄いねぇ。」 「槙田さん?」 「邪気の道で場が悪いのに神仏混交、道教まで。守りは完璧、良い所に稲荷を置いたね。栄えるよ。道士様がいなかったら1か月で終わってただろうね。」 「そ、そうですか。」 「ごめんください。」 「あ、はい!」 慌ててカウンターに向かう。 「あ、神主さん。」 「あの・・・。」 「どうしました?」 「また信じられないでしょうけれども、きつねの形をしたお煎餅を一緒に売れとお告げが。」 「信じます。」 「ありがたい。これを。」 「この紙は?」 「ご神託で言われた電話番号と住所です。はて・・・。」 「貸してごらん。ネットで調べるよ。」 「それでは、これにて。また会う日まで。」 「開店したらお煎餅を奉納します。」 「ありがたい。ではまた。」 「中村さん、岩手県。南部鉄器のお店の住所と番号だった。」 「どういうことです?」 「お煎餅の型作りって事じゃないかなぁ。」 「なるほど。」 電話をかける 「もしもし、中村と申しますが、お煎餅の型作りなどされてますでしょうか?」 『してますよ。この番号・・・京田昭三さん?』 「な、なんでその名前を!」 『出来てるよ。夢にコンコン様が出てね。この電話番号、京田昭三、お煎餅の型。おいなりさんの型だろ?』 「そ、そうです。」 『夢だったし、この番号にかけるのもあれでねぇ。そうかそうか。住所は?』 配送の手続きをしてくれた。 『夢の続きなんだが・・・・。』 電話番号をメモする。 「槙田さん、この電話番号お願いできますか?」 「いいよ~。」 パソコンで調べる 「これ、お店じゃないよ。」 掛けてみる 『もしもし?』 「あの、中村と申しますか、京田と申しますか。突然の電話ですみません。夢にこの電話番号が出てきたもので。」 『はぁ?何いってんのあんた?』 「で、ですよね・・・。」 『中村さんか京田さんって名前、知ってる人ー?』 中に呼びかけている。 『え?意味わかんない。』 『もしもし?』 「すみません。変な電話をしてしまって。」 『夢なんですよね?』 「はい。」 『こっちもです。』 「はい?!」 『昔、京都に備長炭を卸していたんですが・・・今は廃業してまして。でも、じーちゃんが京田昭三くんが求めてる。作れって言うんです。』 「は、はぁ。」 『備長炭、卸しますか?』 「ちょっと、一旦、電話を切っても良いですか?夢の事なので整理します。」 『ですよね。わかりました。』
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