第一章 負けず嫌いの女子高生

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 私たちももう高校生だ。  彼氏の一人や二人いてもおかしくない年頃だというのは分かっている。  しかし、私には恋愛経験というものが全くなかった。  それらしき経験といえば、小四の時、担任だった男の先生が急に退職することになり、自分でも驚くほど大泣きしてしまった。もしかしたらあれが初恋だったのかもしれない……と後から思ったことくらいだ。  三人の中で一番男子に興味があるのはミラだが、いつもルックスの良い男子を見てキャーキャー騒いでいるだけ、その対象もコロコロ変わり、現実の恋愛にはほど遠いものだった。  ゆいちは、幼少期に少しぽっちゃりしているのをからかわれた経験から、男子が苦手で、女の子同士の時には賑やかだが、輪に男子が加わってくると、とたんに黙ってしまう。
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