第一章 負けず嫌いの女子高生

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 放課後、ひと気のない教室で、カーテンだけがバタバタと音をたてる中、私は一人黄昏ていた。  ミラとゆいちは、早速付き合いたての彼氏と一緒に先に帰ってしまった。  これからこういうこと多くなっていくんだろうなー。  クリスマスとか、バレンタインとか、イベントの度にぼっちかぁ……。  いや、それくらいはまだいい、問題は学校行事だ。  約三ヶ月後には高校最大の行事、修学旅行がある。自由行動に一人なんて寂しすぎる。  私は古都・金沢で、パンフレットを片手に一人散策する自分を想像し、頭を左右に振った。 「彼氏って、そんなにいいもんなのかなー」  暇つぶしにスマホでポチポチと、『彼氏』『作り方』と入力し検索してみる。  一瞬で表示された百万を超える検索結果の中から、どれを読めばいいのか分からない。 「そんなんじゃ、一生かかっても出来そうにないな」  いつの間にか有村が背後にいた。
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