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「日野くん、どうしたの?」
「ひよりちゃん、俺と付き合おうよ」
日野くんは机の前にしゃがむと、出し抜けにそんなことを言った。それも「じゃんけんしようよ」くらいに軽い調子で、だ。
「へ?」
と言った私はたぶん、とんでもなく間抜けな顔をしていたと思う。
「あれ?俺と付き合いたかったんだよね?」
「うん、そう……だったんだけど」
私は反射的に有村の方に目をやった。
有村は無関心を決め込んで、静かに本を読んでいた。
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