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「今は有村が……」なんて、大勢の目に晒されているこの状況で言うわけにもいかず、答えに窮していると、
「じゃ、いいよね。授業終わったらまた迎えにくるから」
日野くんは一方的に決めて、教室を出て行ってしまった。
「ちょっと、待って」
という私の声は、教室中の女子から上がった悲鳴と歓声にかき消された。
「ちょっと、すごい! すごいよー、ひより!! あんた本当にエベレスト登っちゃったじゃん」
ミラは興奮して私の背中をバンバン叩いた。
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