第九章 急展開!王子VS秀才

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「なんだよ、樹。今、いいところだったのに」  声の主は有村だったようで、日野くんが口をとがらす。  私は日野くんが離れてくれてほっとしたが、有村がどこにいるのか分からずキョロキョロしてしまった。  すると有村は、給水塔が置かれている、屋上のさらに一段高くなっている場所から、梯子を使って降りてきた。  私たちが屋上に来る前からそこに居たようだ。 「最初に俺にひよりちゃんを紹介したのはおまえだろ?」 「あの時はおまえフリーだっただろ、他に女がいる奴に敷島はやらねーよ」  悪びれず文句を言う日野くんに、有村も負けじと言い返した。
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