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大体、有村にこんな風につっかかるなんて、日野くんらしくない。
有村は恩人だって言っていたじゃないか。
有村だって、日野くんのことはいい奴だって認めてて、二人は唯一無二の親友なのだ。
こんな馬鹿な女のために、二人の友情が壊れるなんて、あっていいはずがない。
そんなことを考えて、どう返事をするか悩んでいると、突然、有村が踵を返して走り出した。
あっという間に姿が見えなくなったかと思うと、バタンと屋上の扉が閉まる音が聞こえた。
「あ、逃げた」
「逃げたな」
日野くんは声を上げて笑いだし、釣られて私も笑ってしまった。
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