第九章 急展開!王子VS秀才

16/22
前へ
/162ページ
次へ
「ごめん。ひよりちゃんを困らせるつもりはなかったんだけど、樹のやつ、いつまでもぐずぐずしているからさ」 「え、じゃあ、私と付き合いたいっていうのは嘘だったの?」 「うん、いろいろ失礼なことしちゃってごめんね」  さっきとは別人のように紳士的な態度で日野くんに謝られ、私は胸を撫で下ろした。そして、 「俺、美雨ともう一回やり直してみるよ」 そう言った日野くんは、とても晴れやかな顔をしていて、心底嬉しくなった。 「樹のこと、真面目に考えてやってよ。あいつ頭はいいのに、恋愛は不器用で、全然自信が持てないみたいなんだ」  日野くんは私の気持ちを知っているのかいないのか、真剣に有村のことを勧めてきた。
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加