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「俺はただ、修学旅行で敷島と一緒に回りたかっただけなんだ」
有村は独り言のようにぼそりと言った。
「馬鹿!!それなら、もっとシンプルに誘いなよ!分かりづらすぎ」
私は驚きを隠して笑い飛ばした。
有村は私が彼氏を作ると宣言した日の話をしているのだろう。
私は想像した。あの日、有村にストレートに告白されていたら、どうしていただろうか。
そりゃもう、天地がひっくり返るくらい驚いただろう。まさか、有村が私のことを好きだなんて、微塵も思っていなかったから。
でも最終的には喜んでOKしたに違いない。
そう思うと、ここ数ヶ月間のバタバタはなんだったんだと、脱力しそうになる。
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