60人が本棚に入れています
本棚に追加
だから、せめて告白は私からしたいと思った。
私は大きく息を吸いこんで、吐き出すように言葉を発した。
「有村、私の彼氏になって下さい!」
同時に今までゴメンとか、お願いしますとか、いろいろな意味を込めて深く頭を下げた。
そして、顔を上げると有村は、驚いているのか喜んでいるのか、なんとも複雑な表情をしていて、思わず「フフ」と笑ってしまった。
「こちらこそお願いします!」
数拍置いて、有村も同じように頭を下げてきた。
二人とも顔を上げ、照れ笑いしながら見つめ合うと、パチパチと弾けるような喜びが体中を駆け巡り、温かいもので心が満たされていくのを感じた。
最初のコメントを投稿しよう!