第九章 急展開!王子VS秀才

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 だから、せめて告白は私からしたいと思った。  私は大きく息を吸いこんで、吐き出すように言葉を発した。 「有村、私の彼氏になって下さい!」  同時に今までゴメンとか、お願いしますとか、いろいろな意味を込めて深く頭を下げた。  そして、顔を上げると有村は、驚いているのか喜んでいるのか、なんとも複雑な表情をしていて、思わず「フフ」と笑ってしまった。 「こちらこそお願いします!」  数拍置いて、有村も同じように頭を下げてきた。  二人とも顔を上げ、照れ笑いしながら見つめ合うと、パチパチと弾けるような喜びが体中を駆け巡り、温かいもので心が満たされていくのを感じた。
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