第十章 恋を売る店

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第十章 恋を売る店

「えーっ!! 二人とももう彼氏と別れちゃったの?」 「だって、あいつ三股もかけてたんだよ、最低でしょ?」  ミラは怒りながら、チョコレートパフェをがっついた。  生クリームがシェービングクリームのように口の周りにくっついてもお構いなしだ。  保坂の女たらしの噂は本当だったようだ。 「うちの彼はね、ものすごいマザコンで、デートの日時すら、いちいちママに確認しないと決められないの。もうすっかり冷めちゃった」  おっとりしたゆいちが、こんな剣幕で怒るのを初めて見た。  私はまあまあと二人を必死でなだめた。
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