第十章 恋を売る店

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 久しぶりに三人で寄り道して、私は有村のことを報告するつもりだった。  しかし、そんなとても雰囲気ではなく、パフェをやけ食いした後は、失恋の憂さを吹き飛ばす、カラオケ大会に突入してしまった。  修学旅行当日、バスに乗る前に、私はこっそり有村に謝った。 「ごめん、結局、自由時間はミラたちと回ることになっちゃって……」 「全然いいよ。そんなこと」  有村は優しく微笑んでくれたが、どちらかといえば、がっかりしているのは私の方だった。
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