第十章 恋を売る店

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 自由時間、私たちはほとんどの時間を買い物に費やしていた。  土産物店が並ぶ通りには、他にも大勢の生徒たちが来ていた。 「ひより、あれ見て!」  ミラが何か面白いものを発見したようで、私の肘をつついた。 「リーダー!?」  間違いない、ミラが見つけたのはヒノクラブのリーダー・時田ひまわりさんだった。  そして驚いたことに、リーダーは一人の男子生徒とイチャイチャしながら歩いていたのだ。 「彼氏? ……ということは、ヒノクラブはどうなっちゃうの?」  ゆいちがいらぬ心配をする。 「さあね」と私は苦笑した。  彼氏と笑い合うリーダーは、完全に女の子の顔になっていた。  それを見て、私は心底うらやましくなった。  これはこれで楽しいのだけれど、やっぱり有村と一緒に回りたかったと思ってしまう。
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