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細い路地を曲がると、いつの間にか私は一人になっていた。
ぼーっとしていたせいか、ミラたちとはぐれてしまったようだ。
焦る必要はない。スマホを取り出し、二人にラインを送る。
――どこ?
――この店にいるよ
ゆいちから地図が送られてきて、手書きの文字で「恋を売る店」と書き足してある。
なんだそりゃ? と心の中でツッコミながら、指定された場所に向かった。
小さな看板で店名を確認し、中に入る。
大正時代にタイムトリップしたようなアンティークなお店。大きな家具から小さな置物まで、雑多な商品が所狭しと置いてある。
ぐるっと見回したが、客どころか店員さんの姿さえ見えない。
ミラたちを探して、店内をうろうろしていると、一人の男子が店に入ってきた。
有村だ。
逆光でシルエットしか見えなかったが、私にはすぐに誰だか分かった。
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