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高い木立に囲まれた長い石段を登って、境内にたどり着く。
こぢんまりとした、森の中の神社。
縁結びの神様なのか、カップルの願いごとを書いた絵馬がたくさんつるされていた。
「願いごとしないの?」
私が小銭を出して準備しているのに、有村はフラフラと歩き回っている。
「しないよ」
「なんで?」
「願いごとならもう叶ったから」
え?
それって、こうして私と一緒にいることだよね?
有村の甘い言葉に、私の心は一瞬でとろけてしまう。
なんでさらりとそんな可愛いこと言うのよ。どう考えても反則でしょう。
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