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先に好きになってくれたのは有村の方だが、このままだと、私の好きの方がどんどん大きくなって、あっという間に立場が逆転してしまいそうだ。
いや、もうすでにそうなっているのかもしれない。
結局、恋愛においても、私の方が一歩及ばないということか。
「ダーメ。叶った願いがこの先もずっと続くように祈らなきゃ」
有村の腕を取り、無理やり賽銭箱の前まで連れて来た。
「分かったよ」有村は渋々応じ、二人そろって柏手を打つ。
そろりと片目を開け、横で手を合わせている有村を覗き見た。
ああ、好きな人と気持ちが通じ合ってるって、なんて幸せなんだろう。
あんなに難しいと思っていた有村の心が、今はこの手の中にあるのだ。
私は再び両目を閉じ、この関係ができるだけ長く、できれば永遠に続きますようにと強く願った。
--- END
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