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恋活を始めたものの、これといった策もなかった私に、最初に手を差し伸べてくれたのは、意外な人物だった。
クラスメイトの姫川麻美は、苗字と高飛車な物言いから“姫”と呼ばれている。
常にバッチリメイクで、甘い香りを身に纏い、とても同い年とは思えないほど大人びている。
間違いなく恋愛強者だ。
その姫がなんの気まぐれか、
「ね、私たち今日、Eクラスの男子とカラオケに行くんだけど、一緒に行く?」
と誘ってくれたのだ。
「いいの? 行く! 行く!」
私は餌に食いつく魚のように、身を乗り出した。
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