第二章 恋活のスタートは順風満帆?

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 姫の話によると、メンバーは男女五人ずつだという。  同じ学校とはいえ、面識のない男女が一緒にカラオケに行くなんて、目的は出会い以外にない。  うまくいけば早くも彼氏候補が見つかるかも。 「やっぱり持つべきものは友だねー」  なんて能天気に喜んでいたのも束の間、他の女子たちと合流して驚いた。  カラオケに行く前、彼女たちが化粧直しをするというので、一緒にトイレに行ったのだが、鏡の前を占領して二十分、誰も一言も喋らず、睫毛一本、毛穴一つにまで気を配り、その真剣さたるや、まるで戦闘準備のようだった。  もしや男女の出会いとは、戦いなのか?  私は化粧道具を持っていなかったので、代わりに薬用リップクリームを厚塗りして、気合を入れた。
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