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小遣いの少ない私にとって、賞品のカレー十杯無料券は願ってもない収穫だったが、その代償はまる一日たっても治らないこの胃もたれだ。
「うー、気持ち悪い」
休み時間に机に突っ伏していると、
「食べ過ぎで具合悪いとか、まじありえねぇ。アタマ悪すぎだろ?」
上から声がした。
冷ややかに見下ろしているのは、クラスメイトの有村 樹、
ことあるごとに嫌味を言ってくる私の天敵だ。
ひょろっとした身体に小さな顔、男のくせに陶器のようにきめ細やかな白い肌をしていて、切れ長の目には冷淡な性格が現れている。
「うるさいっ!!」
大声を出すと、また胃がキリっと痛んだ。
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