第一章 負けず嫌いの女子高生

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 次の授業は移動教室で、終わって自分の席に戻ると、机の上に胃薬の箱が置かれていた。 「ミラ、保健室で薬もらってきてくれたの? ありがとう!」  ミラの仕業だと決めつけて礼を言うと、 「え? 私じゃないよ。ずっと一緒に居たじゃん」 あっさりと否定された。 「じゃあ、ゆいちかな? 気が利くなぁ」  他の人がこんなことするとは考えられない。  ゆいちに感謝しながら、薬の封を切った。  単純な性格のせいか、顆粒状の薬を水と一緒に流し込んだとたん、体がスーッと楽になった気がした。
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