第一章 負けず嫌いの女子高生

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「で、話ってなんなの?」  私、ミラ、ゆいち、いつもの三人組は、紙カップに入ったオレンジジュースを片手に、顔を突き合わせていた。  場所は駅ビルの地下にあるフードコート。ここなら百円のジュース一杯で何時間でも粘れる。  神妙な顔をしているのは、昼にゆいちから「話があるから時間を作ってほしい」とラインが送られてきたからだ。  わざわざ約束などしなくても年中会っているのに、改まって話があるなんて何があったのだろう。 「実は……私……彼氏ができました」  ゆいちは照れ臭そうに頭を掻いた。 「えーっ!!」 「ひより、声でかい」  思わず大声で叫んでしまい、ミラにたしなめられる。
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