60人が本棚に入れています
本棚に追加
第一章 負けず嫌いの女子高生
苦しい……。
喉は焼けるほど熱く、胃はギリギリと痛み、額から汗がしたたり落ちる。
もう、ダメ……限界……。
でも、ここで諦めたら、今までの努力が水の泡だ。
私は最後の力を振り絞って、なんとかゴールテープを切った。
「はい、おめでとうございまーす!! メガ盛り激辛カレーチャレンジ、見事成功でーす!!」
ハイテンションな店員さんのアナウンスに、店中がワッと沸き立った。
「すげーな、お嬢ちゃん。本当に食っちまうとは……」
隣の席で作業服を着たおじさんが目を丸くしている。
花も恥じらう女子高生の私が、なぜ顔の二倍もある皿に山盛りになったカレーを平らげることになったのか。
きっかけはこのおじさんの一言だった。
最初のコメントを投稿しよう!