第一章 負けず嫌いの女子高生

1/15
前へ
/162ページ
次へ

第一章 負けず嫌いの女子高生

 苦しい……。  喉は焼けるほど熱く、胃はギリギリと痛み、額から汗がしたたり落ちる。  もう、ダメ……限界……。  でも、ここで諦めたら、今までの努力が水の泡だ。  私は最後の力を振り絞って、なんとかゴールテープを切った。 「はい、おめでとうございまーす!! メガ盛り激辛カレーチャレンジ、見事成功でーす!!」  ハイテンションな店員さんのアナウンスに、店中がワッと沸き立った。 「すげーな、お嬢ちゃん。本当に食っちまうとは……」  隣の席で作業服を着たおじさんが目を丸くしている。  花も恥じらう女子高生の私が、なぜ顔の二倍もある皿に山盛りになったカレーを平らげることになったのか。  きっかけはこのおじさんの一言だった。
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加