第1章

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残務処理をしながらぼんやり、 いつの間私は仕事一筋になっちゃったのかな…… どこで道をまちがえたのかな…… そんなことを考えていたら、我が社NO. 1のモテ男の相原隼人(あいはらはやと)主任が営業先から戻ってきたのが見えた。 「櫻井さん、お疲れ様、まだ残っていたの?」 「お疲れ様です、相原主任」 「任せられた書類があるから、残っていたんです」 「木曜日の契約の残務処理かな?」 「そうです」 「そっか、じゃあヘルプするから飲みに行かない?」 とこうやって、時々飲みの誘いをてくる、相原主任。 飲みに誘っては、女の子を口説くことで有名なので、 「今日は手一杯なので、また今度にします」と丁重にお断りする。 正直なところ男性からの誘ってくれるのはホントはすごく嬉しい。 でも、もしもお付き合い経験0、キスさえしたことのないと、もしも相原主任に知られたら……社内に知られたらと思うとだけで顔が青くなる。 絶対にこのことは知られまいと思っていたから、いつも誘われても断りつづけていた。 仕事一筋、恋愛はおざなり。 そのおかげで私は恋人はおろか、キスさえしたことのない、バリバリのキャリアウーマンとなってしまった。 これが今となっては私の最大のコンプレックスになっている。解決することはナイだろうなっと私は諦めていた。
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