第5章

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もう10時をまわったので、さすがに帰ろうっとなった。 その時蒼井君が「あ、忘れていた」と思い出したようにいった。 「沙耶さん、ご飯食べて帰りましょう」 近くの居酒屋で夕食をとることにした。 お腹いっぱいに食べた後帰り道に、蒼井君が「週末の予定決めていなかった」といった。 「どこか行きたいところがあるの?」と私が聞いたら ちょっと考えった末、蒼井君が、 「疲れたから、俺、温泉に行きたいなぁ」 「いいね、温泉、私、大好き!」 「明日、日帰りで温泉に行きましょうか。俺、いい温泉知っているんです」 「じゃあ、そこに決定ね!」 「沙耶さん、お泊りの道具も忘れないでくださいね」 「えっ?」 「それと心の準備ておいてください。もう逃がしませんからね」といって蒼井君はニヤりと笑った。 明日10時に私の家に迎えにきてくれるってことで、その日は蒼井君と別れた。 帰宅後、蘭に明日の相談をするため電話した。 相原主任と蒼井君が緊張関係になったことを話すと 「沙耶が油断しているから蒼井君がヤキモチ焼いてたんじゃない。相原主任とは気を付けなさいよ。まだ目を付けられてるんだからね」 「はい、気をつけます」とションボリ私は答えた。 「で、今日は何の相談はなに?」と蘭が尋ねてきた。 「蒼井君と日帰り温泉後、お泊りのすることになったの。どうすればいいわからないの……」と私が答えたら、 「そんなのは流れにのるだけだから簡単よ」とあっさりした答えが蘭から返ってきた。 「せっかく蒼井君がヤル気になっているからチャンスから逃げたりしちゃダメよ、沙耶。蒼井君がリードするはずだから」 「アドバイスはそれだけ!?」 「ん~感じるままにやればいいかな?、がんばりなさいよ、沙耶。勝負下着は忘れずに。最初は痛いけど、あとは楽だから」と蘭はいった。 「……どのくらい痛い?」と聞くと 「ひとによるけど、痛くないって人もいる。大丈夫よ、痛くないように蒼井君がしてくれるはず。蒼井君を信じなきゃ、ね!」と蘭がいった。 痛みに弱い私が、耐えられるかわからなかったが、一応心構えはできた。 あとは蒼井君を信じるしかないと思った。 「ありがとう蘭、心の準備ができたよ」 「それはよかった、沙耶の心配しているんだから、これくらいはアドバイスするよ。明日頑張って」 蘭がそう言ってくれて私は本当に嬉しかった。
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