第2章

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「いらっしゃいませ」とマスターが声をかけた。 「明太子クリーム子パスタとポートワインをお願いします」と男性の声がした。 大人気メニューなんだなっと思ったら、ふと横を見たら、見知った顔がカウンター席に座っていた。 「あ、蒼井くん!」 「あれ、櫻井さんじゃないですか!」 「お疲れ様」 「櫻井さんもお疲れ様です」 蒼井航(あおいわたる)は私の後輩。 基本は蒼井くんには別の営業事務がついているが、手が足りないときには私が、直接蒼井くんの仕事をすることもある。 社内でも人気モノの彼は整った顔立ちで、イケメンの部類にはいる。 それよりも、なによりも優しいと評判の人物だ。 蒼井くんは「営業先からさっき帰ってたんです」といった。 「そうだったの?大変だったのね、お疲れ様。ここには、よくくるの?」と私が尋ねたら 蒼井くんは「たまにね……。文具商社に勤務している大学の先輩に紹介されて、ここに来るようになったんです」と答えた。 ちょうどその時に注文していた「お待たせしました」と私と蒼井くんのパスタとポートワインとアイオープナーがきた。 「ポートワインは「愛の告白」って意味があるんだよ」とマスターがいってのを聞いて、蒼井くんは「告白するチャンスかぁ」と笑っていった。 そして、にっこり笑顔で私のほうを見たマスター。 絶対仕向けている、社内でも人気モノの蒼井くんが告白するわけないんだからと、私はマスターの意地悪と内心思った。
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