妖怪すねかじり

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「昔はずいぶん悪さもしましたが、今はこうして真面目に働いています」 「はい、体に悪いガスが随分吹き出す職場ですが、私は満足です」 「私なんかには勿体無い位のお給料が出るのですが、振り込まれた傍から自然に消えていきます」 「とんでもない、生きているだけで満足ですとも。いえいえ。え?手・・・ですか?」 「指なら昨日、一本無くなりました。実を言うと、額面の不足分でしょう、身体の一部が消えていきます。身体で払えって事ですね。内臓なんかはもう、半分ずつ有りませんよ。きっと今日は指二本ですね。明日は多分、四本・・・」 「覚悟はしておりますが、支払えるモノが無くなった時・・・どうなるのでしょうね」
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