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角を曲がると、鳥居が不意に現れた。
酒が回ってきた千鳥足で真ん中をくぐる。
「小せえ神社だな」
賽銭箱の前に立つ。
「随分、立派なモノをお持ちで。しこたま儲けてやがるだろう」
懐を探る。
遊戯場の銀玉と、一円玉だけ出てきた。
「くれてやるぜ。へ、儲けさせてくれるんなら、倍にしてやるからよ。頼むぜ」
掌を下に向けて、ポイと落とす。
不意に寒気がした。
「飲みすぎたかな。こいつもくれてやるよ」
箱に向けて用を足す。
身震いの後、帰路に着く。
煎餅蒲団にくるまり、眠った。
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