プロローグ

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 どこが好きなのか問われて俺が答えるのは表面上のことばかり。 「なにせ、いろんな出来事や、奇天烈なキャラクターたちが息つく間もなくわんさか出てきて、面白いよ」  ちゃんと答えになってるんだろうか? 聞いた人は「ふーん」とだけ反応するだろう。俺はその魅力を表現しきれていない。  できないんだ。だって、俺も物語の意味をわかっていないから。  でも、物語の主人公に凄く共感する。一緒になって夢中になって、ハラハラドキドキ。小説ってそういうものって言われたらそれでお終いだけど、それだけじゃない気がする。 もしかしたら、俺はアリスと似てるのかもしれない。  それとも、そんな風に思ってしまうのは名前が一緒だから? ――卵が先か鶏が先か――  その結論は俺には一生辿りつけそうにない。
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