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 そんなの無理だ。でも反論する余裕はなくて、下唇をグッと噛んで堪える。彼は奥をズンと突きながら、俺のうなじを舐め上げた。熱い舌がヌルリと肌を這う。ゾワゾワする感覚に首を竦めた。 「アリス、ドアを開けてしようか?」  言葉と一緒に吐息までもが肌をなぶる。俺はブンブンと左右に首を振った。そんなことできっこないってわかってるのに、彼の圧倒的なオーラは正常な判断をいつも鈍らせてしまう。 「可愛い子だ」  彼は腰を両手で鷲掴み、ラストスパートを掛けるみたいに激しく出し入れを繰り返した。奥をガッと突き、ズルリと逃げる。どうしようもなく切羽詰まった快感が背中から腰へ走る。激しい起伏。たまらない。否応なしに出てしまう声をなんとか殺そうとドアに突いた腕に噛みついた。 「うううっ、んう、ん! うー!」  苦しい。とっくに馬鹿になっている膝がいよいよ限界を迎え、ガクガクと大きく震えながら崩れ落ちていく。床に四つん這い状態になった。それでも責めは止まない。  身体をまとうじっとりとした湿気。聞こえる水音。上がる息、吐く熱い息は頼りない喘ぎに混じる。 「はあ、ああ、はあ、あう、あ……はうあう」  男の手が前に回る気配。握って欲しいと思った。でも、その手は俺のを包まず、リングだけを外す。同時に熱い飛沫が勝手に大量に放出された。ドプッビュルルッと有り得ない勢いで床へ放たれる。 「は、あ、あううううっ……んあっ!」
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