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「っあ」  スイッチが入った途端、身体の奥で異物が振動を始めた。ゴリゴリした部分に容赦なく与えられる刺激。否応なしにお腹に力が入る。 「シーッ。声出しちゃダメだって」  からかいを含んだ声。スーツのポケットからハンカチを取り出し、俺の口に押し込む形の良い長い指。 「うぐ」  無理やり中途半端に口が開く。口の中がごわごわして唾液が奪われるのを感じた。  シャツを羽織ってるだけ。下半身は剥き出し。目の前には自分のネクタイで縛られた両手。俺は棚にしがみつき尻を突き出してる。ありえない場所で、ありえない格好をして。  企業先の……誰もいない給湯室の横の備品室。このフロアには他に残業している人間はいないと彼は言った。でも備品室の隣は階段のため、たまに階段を歩く音が微かに響く。その音が聞こえるたび、俺は息を止めた。 「おりこうさんだな」  褒められ意識朦朧のまま何度も頷くと、カチッと音がした。更に強くなる刺激。 「んう~」  くぐもった声はハンカチに吸い込まれる。カチカチに立ち上がった根元を手で押さえつけられ、嫌だと首を横へ振った。内側からの刺激に耐え切れず腰がグラグラと揺れてしまう。 「いやらしいな。そんなに気持ちいいのか?」  ブブブブ、ブブブブ、ブブブブ……激しく震える音を体の中で感じる。 「ほら、こっちむけよ。ケツに力入れて、バイブ出すなよ」 「ふひ……」  わなわなと震える肉に、腰が砕けそうになりながらも必死で力を入れた。背後から肩を掴まれ体を起こす。そのまま体は反転し、棚にもたれるような体勢になった。
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