第二十四段階 最高のクリスマスプレゼント

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「ありました! 『mare』の藤谷さんです」 「なに!」 白井は、左手を頭にあてて顔全体に皺を寄せた。 ―――肝心な事は早く言ってくれ! 電話を切ると、走って関係者出入り口の方へと続く階段を下りて行った。汗だくになりながら一階の出入り口へ着き白井は、警備員へ社員証を見せると外へ走り出た。 グレーのコートにブラックのニーハイブーツ。スラッとした女性の後姿が見えた。 ―――彼女だ! 「藤谷さん!」 振り返った彼女は、驚いたように汗だくの白井を見つめた。 「白井部長、どうしたんです? そんなに慌てて」 走って貴子の前に来る白井。膝に手をおいて息をきらしていた。 「……はあ、慌てもする……。会わないって言ったのに……はあはー……藤谷さんの方から来てくれるなんて」 「気になってしまって。あまりにも昨日、白井部長が……」いいにくそうにする貴子。
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