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私は窓辺を見る。机に落ちる光の足跡に覆い被さるように、私は突っ伏した。机は太陽の熱を吸って、じんわりと暖かい。少しだけ寝る、とみどりに伝える。分かったとみどりは答えた。私は暗闇の中で、柏木のことを想った。彼はきっとファミレスで、幸せであることを隠しきれないような笑みを浮かべながら、優乃と付き合えたことを報告してくれるのだろう。練習をしなくちゃな、と思った。笑っておめでとう、と言えるように練習を。
メロンソーダの味が、口の中によみがえる。
私の言えなかった気持ちが溶け出して。
少しだけ、しょっぱい味がした。
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