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「あぁ、あの日の話か…」
「え?
陽翔くんも知ってる? 」
「…うん。
俺もいたから」
そうなんだ!
「あの日、私が眠ってしまう前、伊月くんと私がどんな話をしてたか、知らないかな」
「それは知らない。
でも、あの日を境に莉花ちゃんはあまり神社に来なくなった。
髪型も言葉づかいも、俺に対する態度も、そこから変わったと思う」
「あの日を境に? 」
自分でもよくわからない。
佐藤くんの歌声が響く中、
《呼び名が変わったのもそのタイミングだったかな…》
陽翔くんが、何か呟いた。
その後は陽翔くんも歌い、私も歌わされ、
望んで歌ったわけではないのに、帰りの電車で散々こき下ろされた。
「…莉花ちゃんって歌声、個性的なんだね」
「え…。庄司は知らなかったのか? 結構有名だぞ。
遠野のクラスは、ミュージカルは無理だって」
「私、劇に出るって決まってないって! 」
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