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「…去年、小学校でやった夏祭り、茉莉花は覚えてる? 」
「うん、もちろん。
すごい楽しかったよ」
「茉莉花はこっちに来たばかりだから知らないと思うけど、そのお祭り、7年に1回、神社でやるんだ。
近いのが今から3年後。
その次が10年後」
「うん」
「10年後の、陽翔と茉莉花が高校3年生のときの夏祭りで、陽翔は神様の前で舞を踊る。
そのときまで、茉莉花が陽翔を好きだってことを周りの誰も知らなければ、神様の耳にも入らない。
だから、神様は何もしないよ。
茉莉花が陽翔のお嫁さんになるのを許してくれる」
「やった! そうなの!
あれ? でも、コーコー3年生…。
随分先だね」
「そうだね」
「そのお祭りの前に誰かが知っちゃったら、神様の耳に入っちゃうんだよね?
それで大変なことが起こる……って何が? 」
「うん。
嫉妬に狂った神様は、陽翔が舞を踊っている隙に、茉莉花を攫って、どこかに隠してしまう。
ここ、“花隠神社”、だから」
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