高校3年生

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゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚ 7月に入ったばかりの朝、 木々の隙間から射し込む陽射しが既にギラギラしていて 自転車を2台、ガレージから出しただけで、私は汗をかいていた。 「やだな、最低。  制汗スプレーは……と」 通学鞄からスプレーを出し、ガレージに戻って、こっそりシューシューしていると、 「莉花ちゃん、おはよう。  あ、なんかその絵面イイね」 とんでもない言葉を陽翔くんに掛けられた。 「は…  え…」 口をパクパクさせながら、左手に制汗スプレー、右手は肘を上にあげた状態で私は固まった。 こんなところを見られた恥ずかしさが70パーセント、 雨の朝を除いて、ガレージの中まで入ってこない陽翔くんが入ってきた驚きが10パーセント、 そして、近隣愛続行中の陽翔くんとは違う、砕けた言葉使いに驚いたのが20パーセント。
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