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私は陽翔くんの胸をドンッ! と押してガレージを出ると、慌ててシャッターを降ろし、自転車に跨りながら、スプレーを鞄に押し込んだ。
「先に行くから!
ついて来るな! 」
「は?
だって一本道…」
私は大急ぎでつづら折りの坂道を下って行った。
駐車場の前でも減速しない。
恥ずかし過ぎて、パニックで、栗本さんにかまってる場合じゃなかった。
直進の下り坂に入ったとき、後ろから
「莉花ちゃん、待ってよ! 」
という陽翔くんの声が聞こえて驚いた。
栗本さんは?
それに、ここ、もう雑木林の中じゃないけど!
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