高校3年生

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  私は陽翔くんの胸をドンッ! と押してガレージを出ると、慌ててシャッターを降ろし、自転車に跨りながら、スプレーを鞄に押し込んだ。 「先に行くから!  ついて来るな! 」 「は?  だって一本道…」 私は大急ぎでつづら折りの坂道を下って行った。 駐車場の前でも減速しない。 恥ずかし過ぎて、パニックで、栗本さんにかまってる場合じゃなかった。 直進の下り坂に入ったとき、後ろから 「莉花ちゃん、待ってよ! 」 という陽翔くんの声が聞こえて驚いた。 栗本さんは? それに、ここ、もう雑木林の中じゃないけど!
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