高校3年生

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  「おは……  何そのスピード」 小学校の前で唖然とする佐藤くんを見かけた、ような気がした。 (部活引退後は晴れの日の朝も、佐藤くんが一緒に登校するようになっていた。  陽翔くんと栗本さんが横に並び進む後方で、佐藤くんと私は縦に並んで進んだ。  電車では、1年生の頃の雨の日のように、佐藤くんと、途中から栞ちゃんも一緒になった) 私はとにかく全速力で、こいで、こいで、こいで、 いや、厳密には下り坂なので、こぐ、というより、ほぼノーブレーキで突き進んで、 奥谷駅に着いたときは、何のための制汗スプレーだったのかわからないほど、汗をかいていた。 なのに、私が自転車を置いた直後に、陽翔くんと佐藤くんが駐輪場に入って来て、 見ると、二人もめちゃくちゃ汗をかいていた。
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