15人が本棚に入れています
本棚に追加
「おは……
何そのスピード」
小学校の前で唖然とする佐藤くんを見かけた、ような気がした。
(部活引退後は晴れの日の朝も、佐藤くんが一緒に登校するようになっていた。
陽翔くんと栗本さんが横に並び進む後方で、佐藤くんと私は縦に並んで進んだ。
電車では、1年生の頃の雨の日のように、佐藤くんと、途中から栞ちゃんも一緒になった)
私はとにかく全速力で、こいで、こいで、こいで、
いや、厳密には下り坂なので、こぐ、というより、ほぼノーブレーキで突き進んで、
奥谷駅に着いたときは、何のための制汗スプレーだったのかわからないほど、汗をかいていた。
なのに、私が自転車を置いた直後に、陽翔くんと佐藤くんが駐輪場に入って来て、
見ると、二人もめちゃくちゃ汗をかいていた。
最初のコメントを投稿しよう!