高校3年生

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  「汗、流してく?  とか、言いたくなる状況だよね」 駐輪場から出るとき、私の肩をツンツンと触った陽翔くんが、出口のそばにある、ラブホテルを指差して言った。 「は?  庄司、何言ってんだ、テメ」 「さ、さっきから、ふざけるな! 」 私は陽翔くんの胸を再びドンッ!と押して、駅へと急いだ。 一体全体何なんだ! この豹変ぶりは。 近隣愛はどこに行った!? 「…ぅあっ、今って “高3の夏” ? 」 私の斜め後ろを走って付いてきていた佐藤くんに、思わず聞いた。 「は? え?  り、立夏はとうに過ぎたけど、  一般的に受験生の夏って夏休みを言うんじゃね? 」 「きっと一般論ではないんだろうな」 「なんの話だよ」
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