高校3年生

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  先にカラオケボックスに行こうとしたけど、 このまま佐藤くんが来れない事態になって、会が実現されないのは困る、と思った私は、二人の仲裁に入ろうとした。 すると、後ろから肩をおさえられたので驚いた。 「(はる)…しょ、庄司くん」 「 “陽翔くん” でいいって言ったじゃん。  それより、今、莉花ちゃんが行ったら、ややこしくなるってわからない? 」 「わからない。  じゃあ、陽…翔くんも手伝ってよ。  萌音ちゃん、去年、陽翔くんと同クラだよ。  一緒に説得しよう」 「佐藤に任せればいいよ。  とりあえず、二人で先に行こう」 「ぇえ? 」 陽翔くんが私の腕を掴んで廊下を歩き始めたので、すれ違う同級生全員に、驚きの目で見られた。 《え? あの二人、どーいうこと!? 》 《きゃぁぁぁ  文化祭の演目、  ジェンヌを主役にベル薔薇、希望! 》 《庄司はアンドレより、アントワネットじゃね? 》 《てかクラス違うっての》 《いや、その前にジェンヌはミュージカル無理だよ》 《そうだった…》  
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