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先にカラオケボックスに行こうとしたけど、
このまま佐藤くんが来れない事態になって、会が実現されないのは困る、と思った私は、二人の仲裁に入ろうとした。
すると、後ろから肩をおさえられたので驚いた。
「陽…しょ、庄司くん」
「 “陽翔くん” でいいって言ったじゃん。
それより、今、莉花ちゃんが行ったら、ややこしくなるってわからない? 」
「わからない。
じゃあ、陽…翔くんも手伝ってよ。
萌音ちゃん、去年、陽翔くんと同クラだよ。
一緒に説得しよう」
「佐藤に任せればいいよ。
とりあえず、二人で先に行こう」
「ぇえ? 」
陽翔くんが私の腕を掴んで廊下を歩き始めたので、すれ違う同級生全員に、驚きの目で見られた。
《え? あの二人、どーいうこと!? 》
《きゃぁぁぁ
文化祭の演目、
ジェンヌを主役にベル薔薇、希望! 》
《庄司はアンドレより、アントワネットじゃね? 》
《てかクラス違うっての》
《いや、その前にジェンヌはミュージカル無理だよ》
《そうだった…》
《超音痴! 》
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