高校3年生

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  「遠野、大丈夫か!  あれ?! 」 佐藤くんが、 陽翔くんにのしかかるように、顔を近付けている私を見た。 「…庄司こそ大丈夫か? 」 「ぅわぁ!  ごめんなさい、ごめんなさいっ」 私は慌てて陽翔くんから離れた。 「いいんだよっ、  莉花ちゃんは謝らないで!  佐藤、俺が引っ張ったんだ! 」 「そうなのか?  でもまさか、  もう、こんなシーン見るとは…。  …の、飲み物取ってくる」 佐藤くんが出て行き、ドアが閉じられた。 「私、引っ張られてないよっ、  私が、私が、…! 」 「莉花ちゃんは何もしてないからね。  俺がしたの。  本当に気にしないで、忘れて」 「忘れる!?  そんなの無理だよ、どうしよう!  すごいドキドキしてるよ! 」 鼓動をおさえようと、胸に手を置き、深呼吸を繰り返した。 ダメだ。おさまらない。 グラスを勢いよくとって、烏龍茶をチューッと吸い上げた。 睡魔が襲うほどの平静を求めたのだけど、これも効かなかった。 「莉花ちゃん……ヤバい」 「は? 何が」 私もかなり顔が熱い気がしたけど、陽翔くんも負けず劣らず赤かった。 「落ち着けー、俺。  莉花ちゃん、すげー、色っぽかった…。  今、俺にドキドキしてるんだよね? 」 「そういうことになるね」 「あの、まさかだけど、  莉花ちゃん、誰かとキスしたことなんか、ないよね? 」 そのとき佐藤くんがコーラを持って戻って来た。 「あるわけない!  伊月くんの唇が頬に当たったことはあるけど」 佐藤くんがコーラをテーブルに落とした。
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