高校3年生

25/137
前へ
/336ページ
次へ
  「じゃあ、前回踊った伊月くんもお兄ちゃんも、それに、佐藤くんのお兄さんも、  何かしら飛ばされた? 」 「伊月さんの話は後回しね。  うちの兄ちゃんは、母ちゃんの床屋を継ぎたくないって気持ちが飛ばされた。  あ、そうだ。  飛ばされたことを認識できる人もいれば、飛ばされる以前の状態を忘れてしまう人もいる。  兄ちゃんは後者なんだ。  波風立てたくないっていう、母ちゃんの希望で、この話は本人にしないでくれる? 」 「う、うん、わかった。  …私のお兄ちゃんは? 」 「あぁ、甘い物へのこだわりが無くなったって書いてあったな」 「…ぁあっ! 確かに、そうだった! 」 「神様に感謝してるって後日言ってたらしいから、今は本人も自覚してる。  話題にしても平気だろ」 「そっか、…そっか、すごい」 「信じた? 」 「へ? うん。  だって実際、そうじゃないか」
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加