高校3年生

31/137
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/336ページ
  「ごめん、佐藤が宮司になるのはまだまだ先の話だから。  養子縁組とか、後援者への説明とか、そもそも能力が宮司に宿ってることを説明する必要があるのか、とか、決まってないことだらけなんだ。  佐藤の結婚相手とか。  あと、伊月と俺が路頭に迷うわけじゃないよ」 「け、結婚相手…」 思った以上に問題山積だ…。 「遠野さん、クイズです」 「へ? 」 「俺を次の宮司にさせる方針を、庄司の親父が伊月さんと庄司に話したのは一昨日でしたが、  さっきから話に出てくる、一昨日とは、一体何の日のことでしょーか? 」 雰囲気を変えたかったのか、佐藤くんがクイズを出題した。 「6月…29日? あ!  佐藤くんの誕生日! 」 「そう! 当たり。  毎年、俺、庄司家でお祝いしてもらってたんだ。  そして、今年のプレゼントは “弟” になりました〜。パチパチパチ」 手を叩く佐藤くんに笑ってから、陽翔くんを見ると、とても恥ずかしそうな顔をしていた。
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!