高校3年生

33/137
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/336ページ
  伊月くんと陽翔くんの兄弟より、この二人の方がハッキリ言って似ていた。 伊月くんは母親似で、二人は父親似なんだろう。 幸人さんは甘い顔立ちで背が高い。 伊月くんもイケメンで背が高いけど、シャープな印象の顔立ちだ。 佐藤くんは伊月くんほど背は高くないけど、浅黒い肌と短髪と筋肉質なところから、甘い顔立ちでも、屈強な印象を与える。 陽翔くんはおそらく160センチ台後半なので、色白の甘い顔立ちとの相乗効果で中性的な印象を与える。 ちなみに佐藤くんと佐藤くんの兄の孝さんは全く似ていない。 孝さんと佐藤くんのお母さんもあまり似てないので、孝さんは亡くなったお父さんに似ているのだろう。 「そうだね。  小学生の頃も、高校に入ったときも、  二人、似てるのに何が違うんだろうって考えたことがあったよ」 「遠野はときどき、失礼だよな。  大祭で、庄司の片思いを吹き飛ばそうかな」 「…おい」 陽翔くんが佐藤くんを睨んだけど、佐藤くんは意に介さず、 「せっかくだから歌おっと」 とリモコンをタッチペンでタップし始め、 「あ、そうだ」 と手を止めた。
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!