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「誕生会は一昨日だったのに、
なんで話すの今日にしたんだ?
普通、翌日にあたる昨日がさ、今日みたいな展開になると思うんだけど」
確かにそうだ、と思った。
「昨日は栗本に話す日にした。
今日みたいな内容じゃないよ。
『明日からは登校する時、莉花ちゃんと一緒にいる』 ってことを伝えた」
「そんなのラインでよくね? 」
「知らないんだよ。
ラインのIDもメアドも」
「「ェエッ!? 」」
佐藤くんと頓狂な声を上げてしまった。
私ですら、栗本さんのラインのIDを知っているのに。
「あ、そうだ! 」
「今度は莉花ちゃん? 何? 」
「佐藤くんに、なんだけど、」
「ん? 何だろ?
…送信! っと」
「小2のとき、伊月くんの腕の中で眠る私を見たのって、その日、ひょっとして佐藤くんのお誕生日会だった? 」
佐藤くんと伊月くんの話の整合性に今になって気付いたけど、
タイミングが悪かったようで、
「伊月さんに聞いたんだ。
あぁ、そうだよ。
遠野は寝てた。
あー、ごめん、曲、始まった」
と、歌い出してしまった。
カラオケボックスなのでいいのだけれど。
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