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「莉花ちゃん、佐藤の話なんだけど」
「ん？ 」
「うちの父さんは、佐藤に神社を継がせるしかないって思ってる反面、
引き取るとか、そういうアクションを起こさなかったくせに、佐藤を縛ることになって申し訳ないって思ってるんだよね」
「あ…、そうなんだ」
確かに他人から見ると、血の繋がりがあるからといって、よその家庭で育つ少年の将来を、搾取していいとは到底思えない。
継承者を生み出すために作った子どもだとしても。
「今は佐藤も望んでるはずだけど、
一時期、反抗してたって父さんが言ってたから、
自分しかいないって責任感で、決意し直したのかもしれない」
「そっか…」
反抗期。
ひょっとして、高１のときの地元のお祭りでの、幸人さんと佐藤くんのピリピリした会話は、それだったのかもしれない。
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